「日本の多くの地方都市も、実は電子ポットになろうとしていたのでは?」
words by 弥中氏(GKDSH 社長)
昔はやかんで水をわかし、それを魔法瓶に入れていた。
戦後の右肩上がりの時代、家電メーカー各社が湯を沸かせるポットを次々と売り出した。
しゅぽしゅぽとポンプを手押ししていたものがモーターポンプに代わり、ほんの少しスイッチを押せばお湯が出るようになった。
他にも多様な保温温度の設定、再沸騰、「カルキ抜き」…ライバル社が新機能を盛り込めば「うちも…」と競い合い、それぞれ剰なまでに高性能な、それでいて並べてみれば見分けのつかない凡庸なものが多数ある。
まるでどんぐりの背比べを繰り広げる、日本の多くの地方都市のようではないか――弥中氏は鋭くも指摘するのだった。確かに!