東日本大震災 被災3県における新たな「沿岸部居住」のありかたをプロトタイピング
クライアント:富士通研究所

昨年来の取り組みである本プロジェクトの成果が、一冊の絵本『船森物語』として結実しました。

本プロジェクトは、富士通研究所、TeamSAKEによる、津波被害にあった実在の宮城県の豊かな漁村の綿密なフィールドワークから出発し、自然災害への耐性を高めながら、同時に震災前の基幹産業や生活文化をより豊かなものに進化させる技術関連の施策群を、「船森」という架空の村を舞台に構想したものです。

私たちインフィールドデザインは、膨大なフィールドワークの生情報と、TeamSAKEが描いた未来の物語から、「新たな沿岸居住のユーザー経験」の発想をブラッシュアップし、かつそれらのアイディアを地域での今後の検証・検討や行政による広聴活動に展開しやすいよう、絵本という親しみやすい様態で視覚化する過程を支援しました。

出来上がった絵本は、フィールドワークでの協力者や地元行政などに配布され、静かな反響を呼んでいます。今後もポスターやコミックなど、さまざまなメディアフォーマットで関係各者が練り上げたアイディアを再表現しつつ、将来の沿岸部居住をめぐる議論の出発点として、地域の未来に貢献できればと願っています。