エスノグラフィ実務者の国際会議、EPIC 2013が、9月16日から18日までロンドンのロイヤル・インスティテューションで開催され、当社では「アーティファクト展示」の部に、本欄でもとりあげた『船森物語』のプロトタイプをクライアントの富士通研究所とともに出展・参加しました(EPIC参加の詳細はこちら)。

今回は『船森物語』を、小説(新書)、絵本、ポスター、マンガ、アニメーションビデオの5つの形で表現したプロトタイプを出展。いずれも内容は和文なので、補足説明として全体像と各メディアの違いを説明する英文ポスターとリーフレットをあわせて展示・配布しました。

「アーティファクト展示」は、会場内のアトリウムに「現物」を展示し、カンファレンス内でその紹介時間を取るとともに、来場者が観覧しながら説明を聞ける時間をもうけるもの。来場者はいずれもエスノグラフィの専門家ですが、ひとつの同じコンセプトを5種類の形で表現するという試みには興味を示す人も多く、リーフレットは3日間で100部以上を配布しました。

特に関心が集まったのはマンガと絵本でしたが、来場者はみな専門家だけあって「どれに対してどんな反応の違いがあったか」等、実務的な質問が多く、「相手と見せる状況によってベストの選択は異なるが、絵本がいちばんフレキシブルに使える」「ビデオは意外と集中力を使うので 、特に子供には負荷がある」等の説明に熱心に耳を傾けていました。また「デザインリサーチをしていると、ついリサーチにばかり力が入るが、その結果を伝える表現も同じくらい大事」という共感の声も得られました。

本プロジェクトおよび各プロトタイプにご興味をお持ちいただける方は、ぜひ当社までお尋ねください。